U.S.A バイクツーリング 1800Km (5月23~30日、2010年)    吉田 博至(寄稿日:6月20日、2010)

(行程:ラスベガス・・バレーオブ・ファイヤー・・ザイオン・・モニュメントバレー・・グランドキャニオン・・ルート66ウイリアムス・・ キングマン・・ラスベガス)

70歳記念で買ったハーレーダビッドソン・バイクが縁で横浜のハーレー仲間10名とラスベガスを起点に1800Km走破する計画が浮上、メンバーの最高齢者として参加した。 出発は5月23日、ロスアンゼルスからレンタルバスでラスベガスに入り、その日のうちにハーレーの大型バイク(1600cc)を借りてラスベガス市内を試運転したが、 雨が降り出したため、早々に切り上げてホテルに入り、プールで泳いで往路の疲れを紛らわせた。

                                (写真:レイクミードを目前に疾走)
 翌日は快晴、フリーウエイ15号線を北東に走行、時速70~80マイル(110~135Km/H)でフーバーダム、レイクミード、バレーオブファイヤーに向かう。風圧が すごく手に力が入る。フリーウエイを抜けると時速50~60マイル走行になるので余裕の走行。雄大な景観を楽しみ、スプリング・デールのホテルにチェックイン。この日は 約400Kmの走行、ホテルのジャグジーが快く疲れを癒してくれた。
先導してくれるツアー会社のライトバンに全ての荷物を積み、無線機でそれぞれのバイクに指示や道路状況の説明、観光案内がされるので安心して運転に専念できる。

 2日目はいよいよザイオン国立公園を経てモニュメントバレーに向かう。


地平線に続く真っ直ぐな道、車が少ないので、片側1車線を 時速100~120Km走行するが、平原は横風が強く、バイクが振られ、突風が来ると、ヘルメットの頭がよじれる。しかしフルオープンのバイクの爽快感は風の苦難に勝り、 この上も無い満足感が残る。この日はメキシカンハット(岩山の形がメキシコ帽に似ている)のモーテルに宿泊。走行480Km。(時々、給油するが、1ガロン(4L)3US$前後、 リッター約70円である)



                                       (写真:モニュメントバレーを背景に走る)

3日目は早朝モニュメントバレーの日の出を観に行った後、8時にグランドキャニオンに向かって出発。
壮絶な風景を見ながら、真っ直ぐな道をひたすら走った。途中、次の信号までフリー走行してください。という指示が来て、次の信号まで80マイルあるので、そこで集合して くださいという。なんて広いのだ、地道なのに次の信号が120Kmも先だとは!ここでは皆がすっ飛ばすので、年齢を忘れて実に時速95マイル(150Km)まで出した。 さすがに時速100マイルは足が風圧で持っていかれそうで出せなかった。グランドキャニオンは2度目だったが、以前と変わりなくその雄大な風景を堪能した。途中、世界一周 を目指しているキャンピングカーのドイツ人夫婦、ハーレーバイクでアメリカを旅している夫婦、ドデカイキャンピングカーにハーレーバイクを積んでいる老夫婦などに逢ったが、 みんな人生を楽しんでいる羨ましい人々であった。






(写真左:グランドキャニオンにて)        (右:アメリカ人のバイク仲間と出会い、すっかり意気投合)

昼食を済ませて、グランドキャニオンを出発、ルート66の町ウイリアムスに向かう。やはりフリー走行、2台ずつペアーで州道64を南へ、このころから手の指の疲れがひどく なり、スロットルを握る指が利きにくくなったので、手のひらでコントロールするようにして、何とかセリグマンのモーテルにたどり着いた。こんなに指が疲れるとは予想外で 皆に言うと、力を入れすぎだといい、手のひらを使って指は極力使わないことだという。走行470Km
       
(写真:ルート66沿いにある古いガソリンスタンド)


この日の夕食は豚のリブステーキー、巨大な塊が出てきて、飲み物含めて20$、安い!うまい!

さて、4日目ツーリング最終日はルート66を経た後、ラスベガスに戻る450Km、朝食を近くのカフェで済まし、8時出発。途中線路沿いの道路を時々、列車と併走しながら 時速60マイル前後で走る。
今日は指を極力使わないで手のひらでスピードをコントロールする。しかし、疲れが出てきたのかセンターラインが二重に見え出した、気がつくと周囲の風景も二重だ。 ツアーガイドに相談してカフェイン錠を飲み休息、何とか回復した。

ルート66の難所であるガードレールもない山岳地帯をくねくねと抜けたが、途中、車が谷に落ちているのが見えた。オートマンからラフリンへ 向かったが、ラフリンで西部劇のショウを路上でやっていて、道路封鎖していた。やむなくショウを見て時間を浪費、バイクの返却時間午後4時が気になりだした。 最後はフリーウエイ15号線でラスベガスへ、15号線は交通量が多く、皆スピードを出している。ツアーガイドが気合を入れて走ってくれ、と言って走り出したが、 車が割り込むのでバラバラになって来た。無線を頼りに車線を変えたり、追い越したりしながら、やっとフリーウエイの出口を出た。あとはバイクを返却するだけ。 満タンにして返却するのだが、一人がバイクのKEYを紛失していてガソリンキャップが開かない。エンジンは掛かるので、そのままバイクを返却。紛失KEYの弁償で200$を 支払ったそうである。まあ、何事も無く、これくらいで済んで上々である。最終日は450Kmの走行。総計約1800Km

初日のフーターズカジノホテルに戻り休息。ショートパンツのかっこいいウエイトレスがいるレストランで夕食をとり、バタンキューと眠ってしまった。翌日は終日フリータイム。 午前中はハーレーダビットソンの店に買い物に行き、CAFÉで昼食をした。

 (写真:ラスベガスは不況のアメリカを全く感じさせず、観光客で溢れている。日本にこんな町は出来ないものか?)

午後は町を散策、夕食で打ち上げ会をやり、ラスベガスタワー(350m)に登った。夜景のすばらしさに見とれていると。すぐ近くでバンジージャンプをやっているではないか! 若い女性が飛び降りた!バイクに乗れても私には無理・・・と思った。翌朝、4時起きで空路、ロス経由で成田へ・・・無事帰国してほっとするが、手の指と時差ぼけが回復する のに3日掛かった。しかし、1800Km走破の達成感と充実感は何物にも代えられないと感じている。

・・・以上・・・

尚、今回のツーリングには雑誌記者兼カメラマン1名が同行して取材、バイク雑誌のビッグマシン(7月15日発売)に掲載される予定。