ヨルダンの異文化経験                   2009.04.01
                                                           吉田 博至

1999年から2004年まで通算4年間ヨルダン首都アンマンで過ごした経験を先ず、JALエッセイコンテスト投稿文を掲載、
あとは順次写真と説明文で紹介する。

「イスラムの味」:JAL海外生活エッセイコンテスト参加(佳作)

  ヨルダンに行くことになったので一緒に行こうかと妻に言ったところ、中東でしょ!
そんな危ないところ、ひとりで行って・・・。というのでひとりで首都アンマンに来てしまった。
ヨルダンはイスラムの国、朝4時ごろから最初のアザーン(お祈り)が始まる。
モスクから聞こえる大きな声で起こされ、日に5回もこれを聞くことになる。ダウンタウンを歩くと、さらにイスラムの国に来た自分を感じる。あちこちから視線を浴び、自分が外人であることを知らされ、緊張が走る。
しかしそのうち、ヨルダン人の親切心がだんだん分かってきた。彼らと付き合うのは、まず自分が笑顔を見せることだと分かった。「ヤパーニ(日本人)」というと、笑顔が返ってくる。
それからである。いろんなところに「サラーマ・アレイコム(今日は!)」と笑顔で入り込み、好奇心を満たしだした。そのうち、ヨルダン人の家庭に招かれる機会がたびたび出てきた。
驚いたことに子供の数の多いこと、子供たちは行儀よく、よく働き、家事を助けている。
家庭における父親は絶対で、威厳に満ちている。家族、親戚、同族といった関係を大切にしているため、犯罪も少ない。
ヨルダン生活が3年目に入るころ、妻はヨルダンが安全な国であることを理解したらしく、ヨルダンにやってきた。好奇心が旺盛な妻は、ヨルダン人と接するごとに、この地の文化、風習に興味を持ちだした。
最近、7人の子供のいるパレスチナ出身の貧しい家庭を妻と訪問した。なんと、妻は奥さんと抱き合いホッペキスを交わしているではないか。イスラムでは挨拶を大切にし、男同士でも抱き合いホッペキスをするのが普通である。自分は貧しくても、人を助けよ、人に与えよ、というイスラムの教えの根底にある日常の行動が、このホッペキスであり、人を尊ぶ精神の表れのような気がする。
これで、イスラム文化の味を妻は少し知ったような気がした。
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ヨルダンの写真

ヨルダン川(対岸はイスラエル
、戦火により壊れた橋が見える)
標高800mの首都アンマン、
冬は雪も積もる
100歳を超えるという老人 ヨルダンの子供たちは愛嬌がいっぱい
ヨルダンの市場 ワディラム砂漠
(ベドウインの墓が見える)
温泉が流れ落ちる滝
(ハママツ・マイン)